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ママぴよ倶楽部勉強会産前産後相談
2022.04.15

産後の赤ちゃんトラブルQ&A

目次

  • 赤ちゃんの乾燥肌・肌荒れがひどいんです。
  • じゃあ赤ちゃんの乾燥肌・肌荒れはどう対処すればいいの?
  • おむつかぶれの治し方と予防方法は?
  • 毎日のように吐き戻しをするのですが大丈夫でしょうか?
  • 頭の形がいびつなのですがこのままで大丈夫でしょうか?
  • 赤ちゃんの鼻づまりがひどく、ぜーぜー言っています。大丈夫でしょうか?
  • 母乳がどのくらい飲めているのか家でも知りたい場合はどうすればいいですか?
  • 赤ちゃんが頭から転落しました。どうしよう。
  • 1歳未満の赤ちゃんの発熱。どう対応したらいいですか?


Q1:赤ちゃんの乾燥肌・肌荒れがひどいんです。

赤ちゃん肌といえば、毛穴も肌荒れもない綺麗なお肌!というイメージがあると思いますが、実は赤ちゃんは大人より肌トラブルを起こしやすいです。なぜなら赤ちゃんの表皮は大人の半分以下の薄さでバリア機能が低いから。
表皮は外からの刺激から守る働きと内側の水分を逃さない働きがあります。生後1ヶ月をピークに生後2〜3ヶ月頃には皮脂の分泌量が低下し乾燥しやすく、乾燥が原因でニキビのようなトラブルが起きることもあります。皮膚の乾燥だけでなくかゆみや湿疹が出ることも珍しくありません。


Q2:じゃあ赤ちゃんの乾燥肌・肌荒れはどう対処すればいいの?

赤ちゃんのスキンケアの基本は、優しく洗う・優しく補うの2ステップです。
赤ちゃんは自分で自分の肌を守る力があります。そのため赤ちゃんのボディウォッシュはできるだけシンプルで添加物が少ないものが良いでしょう。固形石鹸でもボディソープでも良いですが、皮脂が多く皮膚トラブルが起きている子は固形石鹸、乾燥が目立つ子はボディソープをお勧めします。全身を泡で優しく洗うようにし、ゴシゴシしない、首や脇、足の付け根など皮膚と皮膚が重なり合う部分はトラブルが起きやすいのでしっかりと洗うようにしましょう。
入浴後には必ず保湿剤を塗るようにしてください。新生児期からの保湿剤定期塗布はアトピー性皮膚炎など皮膚トラブルを予防するという研究結果が出ています。赤ちゃんは自分で自分の肌を守る力があるため、多くの美容成分は必要ありません。シンプルな保湿剤で十分!表皮の保護ができるようなシンプルな処方でかつ添加物の少ない保湿ミルクや保湿クリームを選びましょう。


Q3:おむつかぶれの治し方と予防方法は?

オムツかぶれは誰しも1回は経験があるくらい赤ちゃんの代表的な肌トラブルです。おむつの当たっている部分の皮膚が赤くなり、ブツブツしたり、ただれてきたり…赤ちゃんもおむつかぶれをすると不快感で機嫌が悪くなることもしばしば。
おむつかぶれの1番の原因はおむつを長時間変えないことです。うんちやおしっこが刺激になり皮膚に炎症を起こします。特に下痢を起こしているときはあっという間におむつかぶれになるので要注意です。こまめなおむつ交換を心がけるようにしましょう。
また、敏感肌の赤ちゃんはおむつやおしり拭きが合わずにトラブルを起こすことも。敏感肌用のおむつやおしり拭きに替えてみるのも良いでしょう。
おむつかぶれには、清潔・乾燥・保湿が大切です。赤ちゃんのおむつが汚れていたらこまめに交換をし、お風呂上がりなど保湿後おむつをつけない時間をつくるのもおすすめです。


Q4:毎日のように吐き戻しをするのですが大丈夫でしょうか?

赤ちゃんは胃の容量が少なく、胃の入り口の筋肉がまだ弱いので吐き戻しすることは良くあります。吐き戻しの原因として、げっぷがうまく出来ないことやミルクや母乳の飲み過ぎが考えられます。
吐いたことよりも吐いた後の対応が重要です。嘔吐物を誤嚥しないために、頭を高くして縦抱きしたり、横向きに寝かせたりすると良いでしょう。しばらくして赤ちゃんの呼吸状態や機嫌が戻ったら授乳を再開しても問題ありません。
異常な吐き方で注意が必要なのが、噴水状に大量に嘔吐を繰り返す場合です。数回そのような吐き方をするだけであれば問題ありませんが、毎日何回も噴水のように大量に吐く場合は一度医師に相談しましょう。


Q5:頭の形がいびつなのですがこのままで大丈夫でしょうか?

分娩時お母さんの狭い骨盤内を出てくる時には、赤ちゃんは頭の骨を重なり合わせながら生まれてくるので、出生直後に頭がゆがんでいたり、いびつであることは普通で自然に丸い形に戻ります。一方方向で寝る癖がある子は、こまめに寝返りを促すようにし、抱っこの向きが偏らないようにすることをおすすめします。うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群になるリスクがあるため避けましょう。
生後数週間経っても明らかに頭がゆがんでいたり、目や耳の位置が左右非対称になっている場合には一度小児科医師に相談するようにしましょう。


Q6:赤ちゃんの鼻づまりがひどく、ぜーぜー言っています。大丈夫でしょうか?

A:赤ちゃんは鼻の穴が小さく気温や湿度の変化に敏感なため鼻づまりを起こしやすいです。赤ちゃんは基本的には鼻呼吸なので口でうまく呼吸が出来ず苦しそうにすることもあります。しかし、鼻づまりがあっても機嫌が良くミルクや母乳の飲みが良い場合にはあまり心配しなくて大丈夫です。室内が乾燥しないように加湿したり、綿棒でお花を掃除してあげるだけで改善することがあります。
咳が出ている、ミルクや母乳の飲みが悪い、顔色が悪い、ぜーぜーしているのが治らない、数日経っても鼻づまりが治らないなどあれば一度小児科受診をしましょう。


Q7:母乳がどのくらい飲めているのか家でも知りたい場合はどうすればいいですか?

ミルクと違って母乳はどのくらい飲めているかわからず不安になるもの。入院中は専用の体重計を使用して母乳がどのくらい飲めているか確認することができますが、自宅の体重計は100g単位での測定しかできないことが多く母乳量を測れず困っているという相談を受けることがあります。
ここでお伝えしたいのが、実は1回の授乳量ってそこまで重要ではないということです。脱水や栄養不足状態だと問題ですが、少しずつでも体重が増えていればそこまで神経質になる必要はありません。
そこでおすすめなのが家の体重計で1週間に1回体重測定をすること。方法は、赤ちゃんを裸にして抱っこしながらお母さんも一緒に体重計に乗ります。その後赤ちゃん抜きのお母さんの体重を引きます。そうするとおおよその赤ちゃんの体重が算出できます。赤ちゃんは1日30gほど増えるのが理想です。そのため1週間後には赤ちゃんの体重が200g程増えていれば問題ないです。
ひとつの参考にしてみてくださいね。


Q8:赤ちゃんが頭から転落しました。どうしよう。

目を離した隙に赤ちゃんがベッドから落ちた、上の子と遊んでいる時に頭から転んだなど育児をするとヒヤッとすることは多いですよね。そういう時に落ち着いて対応できるように観察してほしいポイントをお伝えします。
①出血はしていますか?出血している場合は圧迫するとすぐ止まる程度ですか?
→出血している部分を清潔な布などで圧迫し出血が数分で止まるようであれば、そこまでご心配されなくても大丈夫。②以降の観察を続けてください。
②目に見える出血以外に内出血していますか?
たんこぶなど膨れ上がるような内出血をしている場合、視力や嗅覚の変化がないか注意して観察してください。いつもと違う感じがする場合は脳神経外科か小児科受診をしましょう。
③次の症状があるときは脳神経外科もしくは小児科受診をお勧めします。
声をかけてもぼんやりしている、すぐ眠ってしまう、嘔吐、食事をとらない、たんこぶ以外の頭痛を訴える、会話のつじつまが合わない、けいれんがある、顔や手足の動きに左右さがるなどです。
頭を打った直後から症状がある子もいれば数時間経ってから症状が出る子もいます。特に打ってから1〜3時間はしっかりと症状を観察してあげるようにしてください。元気に遊んでいて、食事やミルクをしっかり飲めている場合は問題ないと考えていいです。


Q9:1歳未満の赤ちゃんの発熱。どう対応したらいいですか?

子供の場合、体温は大人よりも高いため38度以上の場合を発熱といいます。
38度以上の発熱がみられたらまず、室内温度や衣服の調整をしてください。特に生後すぐの赤ちゃんは体温調整が苦手なので衣服の調整をするだけでも1時間もすれば平熱に戻ることが多いです。
またミルクや母乳不足で脱水ぎみのときも体温は上がります。赤ちゃんが欲しがるだけたっぷりの授乳をしましょう。
それでもお熱が下がらずミルクや母乳を飲まない、なんども吐く、ぐったりしているなどがあればすぐに小児科を受診しましょう。



この記事の筆者
加藤 恵利奈

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本大学医学部付属板橋病院で研鑽し
現在は加藤クリニック理事長兼院長、日本大学医学部産婦人科兼任講師。
周産期医療及び母体救命、妊娠高血圧症候群、新生児蘇生のシミュレーション教育を主に研究。

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