用語の説明
一絨毛膜二羊膜双胎(いちじゅうもうまくにようまくそうたい)とは、二人の赤ちゃんで一つの胎盤と絨毛膜を共有し、二人の間は羊膜で仕切られた別々の部屋にいる状態です。MD双胎(えむでぃーそうたい)とも呼ばれ、双胎の中でも20~30%程度で発生します。
原因
一卵性双胎に起こり、受精卵が2人に分かれるタイミングによってMD双胎になります。
症状
MD双胎の10%程度で、双胎間輸血症候群(TTTS)といって、共有する胎盤を通して血流のバランスが崩れ、赤ちゃんの生命に危険が及ぶ可能性があります。また、どちらか一人の子宮内胎児発育不全などが起こることがあります。
検査・診断方法
妊娠5週~10週ごろ、超音波検査を行い、どの双胎のタイプかを診断します。その後も超音波やNSTなどを用いて、重大な合併症が起きていないかを慎重に診ていきます。
治療方法
TTTSに対しては胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術によって、原因となる血管の吻合を行い、血流バランスを改善させる治療を行います。また、羊水吸引を行い、赤ちゃんがいる部屋の大きさのバランスを取ることもあります。
分娩方法は帝王切開を選択することが多いです。
その他
早産や胎児発育遅延などのリスクがあるため、管理入院することがあります。